大会記
連日上位陣の顔触れが変わった、酷暑と呼ばれたこの夏の暑さをも上回る、そんな熱い戦いが繰り広げられた「コマツオープン2023」は、最終日に2位から出た久保勝美プロが4つスコアを伸ばし3打差を逆転、2015年金秀シニア以来となるシニアツアー2勝目を、コマツオープン初優勝で飾りました。首位と5打差5位でスタートした宮本勝昌プロが67、また飯島宏明プロも66をマーク、猛チャージした二人が1打差の2位となりました。
最終日は、最大5メートルの風が吹き、しかも刻々と風向きが変わる難しいコンディション。
最終組は崎山武志プロ(-13)、I・J・ジャンプロ(-10)、久保勝美プロ(-10)、梶川武志プロ(-9)、1つ前の組に宮本勝昌プロ(-8)、藤田寛之プロ(-8)、桑原克典プロ(-8)、そして前年覇者深堀圭一郎プロ(-8)の顔触れで激戦の幕が開きます。通算13アンダーで首位発進したのは崎山武志プロですが、前半スコアを伸ばせずにパーで足踏みが続きます。5打差でスタートした宮本プロが4つのバーディーを奪い、また3打差スタートの久保プロも2つのバーディーを奪いとうとう1打差でバックナインに入ります。
最終組が名物ワンオンチャレンジホール13番に入った時には、6打差スタートで先を回っていた飯島宏明プロがバーディーを量産して2打差に、更には3アンダー31位スタートの柳沢伸祐プロも7バーディーの猛チャージで3打差に迫るなど、上位陣は更に混沌としてきます。注目が集まる最終組ですが、I・J・ジャンプロと梶川プロが思うようにスコアを伸ばせず優勝争いから後退する中、久保プロも13番ティーショットがOBとなり痛恨のダブルボギー、1歩後退となります。崎山プロは何とかパーを続けて13アンダーをキープするのですが、一つ前の組の宮本プロが14番で後半2つ目のバーディーを奪い14アンダーでとうとう逆転します。追いかける立場になった崎山プロですが、なんと14番で2発のOBが出てしまい首位陥落となります。対して久保プロは同じ14番でバーディーを奪うと、続く15番でもグリーン手前30ヤードのロングパットをネジ込み連続バーディー奪取。13番のダブルボギーを帳消しにするどころか、先を行く宮本プロがボギーをたたいたため13アンダーで遂に首位に並びます。その後、宮本プロは16番ボギーとするも17番バーディーを取り返し最終18番へ、久保プロは16番17番をパーでしのいで最終18番へ、今年も勝負の行方は最終18番ロングホールに持ち越されました。宮本プロの最終ホールは、ティーショットがラフにつかまり、5番ウッドのセカンドもラフに、結果3オン2パットのパーで最終組を待つことになります。
久保プロの最終18番ロングホール、ティーショットを無難にこなした後のセカンドはグリーン手前40ヤードの距離を残します。58度から52度のウェッジに持ち替えて打った第3打は見事にピン横1.5メートルにつきます。「久々の優勝パットにしびれました」と言うウイニングパットは、ジャストタッチでカップインとなり見事逆転優勝となりました。 恒例の優勝者へのウォーターシャワー、かつて見たことのないような大量のシャワーに久保プロは水浸し!久保プロのお人柄なんでしょうが「なんかシニアツアーってイイなぁ」としみじみ感じた一幕でした。